ISBN:978-4-02-251021-1 単行本
津村 記久子 朝日新聞出版社 発売:2012/11 1,890円
ターミナル駅から貨物レーン跡をくぐる長いトンネルを
通り抜けた先にある少し古めのビルディング。
そこに入居しているのは会社の事務所であったり、
飲食店街であったり、学習塾であったり。
もうすぐ取り壊しも噂されるビルの端っこの方の
雑多な空きスペースを隠れた休憩(サボり)場所として使っているのは
ある会社の営業事務の女性社員だけでなく、
学習塾に通う小学生、はたまた別の会社の男性社員だったり。
それぞれは最初は自分たちがそのスペースを
独占していると思っていたのだけれど
荷物の置き具合や、種々の物品の授受が行われる中で
小さな幸せが生まれていきつつ、
その外側では個々の周囲を少し賑やかす事件や自然事象が発生したり
という感じで徐々にビルの中での人間関係が
明らかになったり、新しくつながったりという中で話が進んで。
空きスペースの共有について、
それぞれが懸命に相手探しをするわけでなく、
自分たちの空き時間の合間に少しずつやり取りを交わしていく感じや
嵐の中で半分孤立したような形になったビル内の人々が
不安はあるものの、普段とは異なる状況を
こういう機会だからと少し楽しく共有したり、
人によっては思いがけない体験をして悲喜こもごもあったりで
読んでいてこういうふわふわしたつながりに心地よさを感じつつ。
他にもテナントの飲食店のごはんがやたらおいしそうやなぁと思ったり、
嵐が来ても商魂たくましく場所や物品の提供を行う
テナントの人々に感心したり、
エステのチラシの表情が気になったりと
現実的かつゆるい要素が所々にあって
ビジネスと生活感の合わさったような、
仕事とプライベートの垣根の低さのような、
心に少し遊びをもった、
または実際にこういう空きスペースを持った生活
を続けていきたいなという気にもなります。
それと主人公たちの心の中のツッコミの数々が好きです。
最終的にビルの行く末を
意外なところから見守ることになった主人公たちを含め、
ビルやビル内の人々の日常の続きが気になる1冊でした。
(何も変わらないかもしれないけど)
津村 記久子 朝日新聞出版社 発売:2012/11 1,890円
ターミナル駅から貨物レーン跡をくぐる長いトンネルを
通り抜けた先にある少し古めのビルディング。
そこに入居しているのは会社の事務所であったり、
飲食店街であったり、学習塾であったり。
もうすぐ取り壊しも噂されるビルの端っこの方の
雑多な空きスペースを隠れた休憩(サボり)場所として使っているのは
ある会社の営業事務の女性社員だけでなく、
学習塾に通う小学生、はたまた別の会社の男性社員だったり。
それぞれは最初は自分たちがそのスペースを
独占していると思っていたのだけれど
荷物の置き具合や、種々の物品の授受が行われる中で
小さな幸せが生まれていきつつ、
その外側では個々の周囲を少し賑やかす事件や自然事象が発生したり
という感じで徐々にビルの中での人間関係が
明らかになったり、新しくつながったりという中で話が進んで。
空きスペースの共有について、
それぞれが懸命に相手探しをするわけでなく、
自分たちの空き時間の合間に少しずつやり取りを交わしていく感じや
嵐の中で半分孤立したような形になったビル内の人々が
不安はあるものの、普段とは異なる状況を
こういう機会だからと少し楽しく共有したり、
人によっては思いがけない体験をして悲喜こもごもあったりで
読んでいてこういうふわふわしたつながりに心地よさを感じつつ。
他にもテナントの飲食店のごはんがやたらおいしそうやなぁと思ったり、
嵐が来ても商魂たくましく場所や物品の提供を行う
テナントの人々に感心したり、
エステのチラシの表情が気になったりと
現実的かつゆるい要素が所々にあって
ビジネスと生活感の合わさったような、
仕事とプライベートの垣根の低さのような、
心に少し遊びをもった、
または実際にこういう空きスペースを持った生活
を続けていきたいなという気にもなります。
それと主人公たちの心の中のツッコミの数々が好きです。
最終的にビルの行く末を
意外なところから見守ることになった主人公たちを含め、
ビルやビル内の人々の日常の続きが気になる1冊でした。
(何も変わらないかもしれないけど)
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