ISBN:978-4-04-394454-5 文庫
飛鳥井 千砂 角川書店 発売:2011/8 660円

東京郊外にある大型ショッピングモール、
「タイニータイニーハッピー」で働く人たちと
その人たちに関係する人々を
それぞれの章の主人公として描いた短編集。

運営元の会社で働く旦那さんとそのショッピングモール内の眼鏡屋さんで働く奥さん、
旦那さんの同僚、奥さんの同僚2人とそれぞれが付き合っている人、
しかもそれぞれの年齢が近い(主に20代後半)、
と主人公達は結構狭い世界の中で構成されているのだけれど
それぞれが抱える思うところや悩みを
他人からの言動や時間の経過によっていろいろ気付かされつつ、
解決や進展へと一歩一歩進んでいくようになっていて。

本当に仲がいいなぁと思う部分が描かれている部分が多いので
端々に出てくるちょっと避けたい存在(口うるさい店長とかクレーム客とか)
の方が生活や仕事の出来事としてはインパクトが残るように思われるのに
ここでは本当に端っこの方に行ってしまったりする部分はあるのだけれど
それほど大きなものではない幸せを日々噛み締めて過ごす主人公たちの姿に
多くの人たちがこうあればいいなぁとも思ったり。

自分中心に考えてしまいがちな時に
自分の周りにいる人たちがどんな風に生きているか、
ゆっくり考え思い直すのによい1冊かと思います。
ではまた来年も平和に過ごせますように。

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