ばくりや

2011年12月21日 読書
ISBN:978-4-16-380930-4 単行本
乾 ルカ 文藝春秋 発売:2011/10 1,575円

「ばくる」、
北海道の人は当たり前のように知っている言葉なんでしょうか?
初めて聞きました。

自身にとっては元々存在している、あとは入手した能力の中で
不必要・邪魔だと思うものを他の人間の何らかの能力とばくる、「ばくりや」の存在と
新たな能力を得た、または元の能力を失った後のそれぞれの人生の変化
を描いた短編集です。

他人から見ると羨ましいような能力も人生の邪魔になって捨ててしまい
それによって自身ないし他人がぞっとするような怖い影響を受けてしまったり、
一方でえっと思うような非現実的な方向に着地したり、
そもそもばくることが適わない者もいたり。

自分にはここでばくるに値するような能力があるかと言われると
すぐには思い当たらないけれど、もしあったとして
ばくることによって新たに得る能力を影響の大小に関わらず、
さらに有無を言わさず受け入れることができるか
と言われると自信はないです。
(そもそもここで出てくる人たちは自身の意思とは別に
 導かれるようにしてばくっているとは思いますが)

これを読むとこういうところで能力をばくれたらなぁ
と思う人もいるとは思うけれど
自分としては現状に不満や不運はあるけれど
それによって生じる幸運もしくはさらなる大事故の回避もあるかと思うので
現状を抱えて生きていくしかないなぁ
と考える1冊だった気がします。

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