ISBN:978-4-10-464503-9 単行本
森見 登美彦 新潮社 発売:2011/1 1,470円


『四畳半神話大系』と同じか、はたまた別物か。
京都を舞台とした四畳半及びその周囲に関わる短篇たち。
夜は短しやら、有頂天やら、走れメロスやら
他の作品でも見かけたような面々や事物が随所に散りばめられている中に
ブリーフやら阿呆神やら新しいというか単に未知だったというか
な何かが含まれていて。

もう学生でなくなってから7,8年経つのだけれど
こんな極端ではないにしろ、少しはあったと思われる大学生らしさ
をほんのわずかに思い出せるような気がします。
もう戻ることはできないけれど。

「蝸牛の角」のように小さな世界が
意外と大小問わずいろいろな世界につながっていく感覚と
「真夏のブリーフ」の夏の気だるい空気感の中での
大学生の1日を味わえるかのような部分、
「大日本凡人會」のような阿呆さと非現実的な部分が入り混じる中に
面白さと現実性を見出せそうな内容が個人的にはお気に入りでした。

また他に四畳半の世界を垣間見ることができるのなら
垣間見て見たいと思う1冊でした。
ただ新入生の方はいきなりこういう世界に憧れない方がいいかもしれません。

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