ISBN:978-4-16-774101-3 文庫
森 絵都 文藝春秋 発売:2007/9 530円

金曜日に読んで土曜日に観てきました。

生前に犯した罪に対する生まれ変わりのチャンスとして
修行という名の試練を与えられ
戻されて入り込んだ下界の人間は本人家族周囲ともども
複雑な事情を抱えていて
その試練を乗り越えることはできるのか。

苦しんだり決めたりするのは
それぞれの事情が積み重なった結果で
間違った方向に行ってしまうこともあるけれど
気付いてやり直すことができたり、
導いてくれたりする他人の存在で
この世で生きていけるのだなと。
それを当たり前として捉えて生きられていることは
幸せなのだなと思ったりします。

映画の方は時代の違いや見易さを考慮してか
複雑な部分は若干省いてあって
原作を読まないで観るのも一つの手だったかなと。
前半の方がそれぞれの声が若干慣れていないように感じられたものの
後半には落ち着いてた気がするし
原作にはなかったエピソードも付け加えられていたようで
良かったかなと思います。

後から考えてみると
中学3年生って自分の半分の年なんだなぁと思うと
少し複雑になる部分もあり。
あの頃は何色で今は何色で彩られているのやら。
そういえば高校の文集的なもののみんなへのメッセージの部分に
個々人を何かに例えて書いているクラスメイトがいたけれど
そこでは自分のことは真っ青な空の下に干した真っ白な軍手とか書かれてたっけ。
とか作品から飛び出して過去の自分にも少し思い出したりするところがあった1冊でした。

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