ISBN:978-4-253-10490-6 コミック
今日 マチ子 秋田書店 発売:2010/8 998円
うーむ、『センネン画報』や『みかこさん』に
慣れ親しんだ身にとっては結構きつい題材・内容でした。
国は国民のものというより国民は国のものだった時代、
戦況の変化と共に
女学校の女学生たちも看護婦部隊として
野戦病院化した壕に送り込まれ、
やがて状況の悪化と共に解散、
逃亡する中で仲間たちが一人また一人と斃れていき…。
こんな現実を、繭という空想で自身を守ろうとし、明るい未来を夢見る姿は
悪意を倒すことはできないけれど
状況を耐えたり、自身を守ったりするのに
空想は一定の強い力を持つのだなと感じさせてくれる気がします。
絵で表現された部分も柔らかく抑えて描かれている方だと思うし、
(自分の場合は戦地に送り込まれる側・白い影として描かれる側になるけれど)
ここに匂いや触感・精神状態が加わると
実際は想像をはるかに超えるものになるのだろうなと。
自分たちはこの戦争の推移や結果を知っているし、
結果を知っているからこうした方がと思う部分があるけれど
当時の教育や情報の統制状況から見て
その選択をする余地がなかったor考えることが許されなかっただろうし、
いつどこで命が奪われてしまうのか、その危機はいつまで続くのか
手探りの中で日々を過ごすのは
大変という一言で片付けられない気がします。
自分が子供の頃は
メディアでの戦争特集がもっと多かった印象があって、実際見ていたし、
自分の祖父も含め、実際に戦争に行った方が周りにいて、
戦争の恐さを見聞きする機会が多かった気がするのだけれど、
年月を経て、そういうことを語る人も減り、
遠い昔の話になりつつある中で、
戦争の残酷さを感じられる内容になっている話を
同世代の作者が作品にしたのは良かったことなのだと思います。
直接戦争に参加したわけではないので
戦争自体にあれこれ言える権利はないですが
今の日本が人々の犠牲の上に成り立っているということを考えると
大切にしなければならないことはたくさんあるなと。
いろいろ考えるところがある1冊でした。
今日 マチ子 秋田書店 発売:2010/8 998円
うーむ、『センネン画報』や『みかこさん』に
慣れ親しんだ身にとっては結構きつい題材・内容でした。
国は国民のものというより国民は国のものだった時代、
戦況の変化と共に
女学校の女学生たちも看護婦部隊として
野戦病院化した壕に送り込まれ、
やがて状況の悪化と共に解散、
逃亡する中で仲間たちが一人また一人と斃れていき…。
こんな現実を、繭という空想で自身を守ろうとし、明るい未来を夢見る姿は
悪意を倒すことはできないけれど
状況を耐えたり、自身を守ったりするのに
空想は一定の強い力を持つのだなと感じさせてくれる気がします。
絵で表現された部分も柔らかく抑えて描かれている方だと思うし、
(自分の場合は戦地に送り込まれる側・白い影として描かれる側になるけれど)
ここに匂いや触感・精神状態が加わると
実際は想像をはるかに超えるものになるのだろうなと。
自分たちはこの戦争の推移や結果を知っているし、
結果を知っているからこうした方がと思う部分があるけれど
当時の教育や情報の統制状況から見て
その選択をする余地がなかったor考えることが許されなかっただろうし、
いつどこで命が奪われてしまうのか、その危機はいつまで続くのか
手探りの中で日々を過ごすのは
大変という一言で片付けられない気がします。
自分が子供の頃は
メディアでの戦争特集がもっと多かった印象があって、実際見ていたし、
自分の祖父も含め、実際に戦争に行った方が周りにいて、
戦争の恐さを見聞きする機会が多かった気がするのだけれど、
年月を経て、そういうことを語る人も減り、
遠い昔の話になりつつある中で、
戦争の残酷さを感じられる内容になっている話を
同世代の作者が作品にしたのは良かったことなのだと思います。
直接戦争に参加したわけではないので
戦争自体にあれこれ言える権利はないですが
今の日本が人々の犠牲の上に成り立っているということを考えると
大切にしなければならないことはたくさんあるなと。
いろいろ考えるところがある1冊でした。
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