ISBN:978-4-04-874063-0 単行本
森見 登美彦 角川書店(角川グループパブリッシング)
発売:2010/5 1,680円


近くを流れる水路の水源について。
歯医者の受付のお姉さんについて。
宇宙について。
街に突然現れたペンギンについて。等々。

初夏から夏休みにかけて
小学生の主人公たちが行っている各種研究は
冒険あり、鋭い観察ありで
自分が子供だった時と比較すると
子供らしくないなぁと感じるものもあり。
これらの個別の研究たちが
大きな謎の解決にまとまっていったり
間接的なヒントになっていきつつ話が進んでいって。

問題解決の為に大人が与えてくれるアドバイスは
当たり前のように思いつつ
なかなか実行できていない事項だったり。
主人公には10数年後に若干ひねくれた京都の学生として
姿を現しそうな気配が所々に漂っているのだけれど
これも理論的に考えるように大人が育てている部分もあるんだなと
改めて気付かされたり。

いろいろ研究した結果の謎解きとしては
それは主人公たちの生きる世界を超えた範疇の話で
その事実を知ってしまったことで
物哀しくなってしまう部分があるのだけれど
希望や時間はまだまだある分安心感は高めなわけで。

今までの森見さんの作品と比べると
悲壮感やら危機感やら京都やらがほとんどなくて
純粋な1冊になっている気がします。

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