ISBN:978-4-591-11436-0 文庫
村山 早紀 ポプラ社 発売:2010/1 598円

風早の街の夕暮れ時にふっと現れるらしい
不思議なコンビニ「たそがれ堂」が再び。
今回出てくる商品も不思議なもの揃いで
4人(匹?)の女性が思いを届けようとする相手は
時には親しかった友人や親族、
時には仲良く過ごしたご主人や
雪うさぎのように自身で作り出した存在であったり。

どの話も人や動物、そして物が持っているそれぞれの思いが
直接的に強く伝わるというよりかは
辛うじてつながるという感じが近くて
互いが以前の関係に戻れることもないのだけれど
そのつながりに何だかほっとする所があって。
それは陽と陰が共に存在して切り離せない中で
それぞれを抱え込んだままでつながりを得られた、
または今後も得られるであろうことに対する少しの安心感と言いますか。

物や動物と意思疎通は図れないのだけれど
人が大事にするのと同じように
物や動物も人のことを大事に思ってくれているとしたら
人としても何となく嬉しくなるし
大事にしたいなという気持ちも強くなると思います。

ちょっと怖い話寄りのものもあるけれど
今回も人間とか時間とかの枠を超えて
いろいろ感じることのできる1冊でした。

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