ISBN:978-4-04-868221-3 文庫
有川 浩 アスキー・メディアワークス 発売:2009/12 641円

弟が主宰を務める万年赤字の劇団に
手を差し伸べる条件として兄が突きつけたのは…
とは言っても単純に出資するだけでなく
なりふりは構わないものの
これまでの収支を改善する施策を打ち出しながら
団員の意識を少しずつ変えていく様子と
新しい体制の劇団に対する葛藤とが描かれていて。

自分はどちらかというと会社では
鉄血宰相寄りのような仕事をしているので
そちらサイドから読んでみましたが
団員に対するそこはちょっと…という部分とか
多くの人間が集まって1つの作品を作り出す喜びを共有するところを
ちょっと離れた所から見ている部分とか、
演じない側でも演劇と関わりつつ何かをできるという所を
少し味わうことができてよかった気がします。

演劇は学生時代に同じ学部の子が所属していた劇団のを
数回見に行ったことがありましたが
2時間超の舞台を1,000円とかで観せてもらえたのは
採算は完全に無視だったんだなぁと
社会人になってから改めて思うわけで。

そんな昨日、劇場に足を運んできましたが
演じる側観る側両方の感情が空気を通して伝わってくる
感覚を久しぶりに味わえて良かったです。

という感じで普段演劇に縁がなくても
少し近づいたり触れたくなったりしてくるような1冊だったかなと。

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