ISBN:978-4-16-778001-2 文庫
誉田 哲也 文藝春秋 発売:2010/2 660円

中学3年の秋季市民剣道大会。
剣道エリートとして強さを追い求めているのに負けてしまった。
剣道を初めて日が浅くて日々の成長を楽しんでいるうちに勝ってしまった。
それがきっかけで同じ高校で出会い、
互いに(一方的に?)ぶつかり合いながら成長していく
2人の女子高校生を中心とした物語の1冊目。

愛読書が五輪書で剣道以外には若干不器用な部分がある磯山と
お気楽不動心が功を奏しつつどこかのんびりしていながら気を遣う部分が多い西荻、
2人が交互に語り手となって進んでいく中で
それぞれの言動や心の声に個性があって
剣道部の他のメンバーや周囲の人間を取り込みつつ
互いのベクトルが同じ方向を向くことがあれば真逆を向くこともあり。
そんな彼女達の青春は端から見れば爽やかさ満点の感じがします。

もちろんいい部分だけではなく
省かれがちな厳しい稽古にも触れていて
身体の痛みが伝わってきそうな部分もあり。
剣道は未経験者なのですが
少しずつ分かってきた気はします。
(でも男子はもっと高いレベルのですよね…別世界だな)

次のセブンティーンの文庫化は1年後とかになるのでしょうか?
どこかで2人が直接真剣勝負するのを期待しながらも
その時の結果を知りたいような知らないままで終わってもいいような気も若干しつつ。
読む前に思っていたよりいいとこを突いているように感じた1冊でした。
近日公開の映画の方も期待できそうですね。

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