ISBN:978-4-04-308320-6 文庫
柳田 国男 角川書店 発売:2004/5 500円

盛岡の書店にて入手。

岩手県の遠野及びその周辺に伝わる習慣や奇聞の数々。
筆者自身が実際に目の当たりにしたものではなく
人から聞いたものを記しているので
真偽が怪しいものも含まれていますが。

山男や天狗、その他神様に類する存在は
何となく気まぐれな存在のようで
挑んでくる人間を追い払ったり
気に入った女性を連れ去ったり
一緒に遊んでくれる子供を叱る大人に罰を与えたりすると
結構好き勝手している印象を受ける一方で
座敷童子の存在や山仕事を手伝ってくれるような者がいたり。
他にも虫の知らせ的な事象や自然に関わる部分が
中世のような雰囲気を醸しだしつつも
それが近代にもあったことに驚かされてしまいます。

『遠野物語』『遠野物語拾遺』の内容からして
この周辺だけ不思議な世界と思ってしまいそうになるのですが
どこの土地にも昔からその環境に応じた
神様や特有の事象があったはずなので
ここだけ特別というわけでもないのでしょうね。

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