ここに消えない会話がある
2009年9月9日 読書
ISBN:978-4-08-771305-3 単行本
山崎 ナオコーラ 集英社 発売:2009/7 1,155円
表題作他1篇。
いろんな媒体のラジオ・テレビ欄、
略してラテ欄を配信する会社で働く
若者達の業務中に交わされる様々な言葉は
種々の業務上のやり取りから
自分たちの思うところを口にしたものだったり
沈んだ雰囲気を解きほぐす一言であったり
どうでもいいような報告や気付きであったり。
同じデスクで仕事をするほぼ同年代の彼らには
それぞれに何となく少しずれた部分がありそうなのだけれど
互いにそれらを否定することはあまりなくて
時に淡々と時に和やかに仕事をすすめていくのは
仕事だけの関係と割り切っている部分があるのかどうなのか。
そうであっても仕事に関係のあるなしに関わらず、
あの時彼が、彼女がこんなことを言ったということが
ふとした時に思い出されそうな内容の会話を交わしているのは
この話の彼らだけでなく
自分もきっとそうなのだろうなと思う部分もあり。
ラテ欄の配信をテレビ局や新聞社とは別の組織が
やっているとはと知らなかったし
全国各地の版に対応するように
多くの人間が関わっているというところに
ちょっと新鮮さを覚えた気がします。
そしてもう一篇の『ああ、懐かしの肌色クレヨン』。
主人公が好きになった職場の男性が辞める前に
何とか取りつけたデートの約束。
当日いきなり劣勢に立たされても
意外に冷静でいられるのは
発した言葉がはね返されるでもなく受け止められるわけでもなく
すり抜けているような感じを受けるからなのかなと。
その後も淡々と口説き続けたり
ちょっとしたことに喜ぶ主人公に対して
よく頑張りましたと声をかけたくなります。
個人的にはこっちの話の方が好きかなと。
それにしても今回サイン本を入手したのだけれど
サインとして書かれたメッセージがこの話に関わるところなのか
著者自身の心の叫びなのかがちょっとなのかどっちなんだろう…?
両篇共に重要非重要は別として
日常の会話や出来事の中に意外に印象に残ることが
転がっているのかなと改めて感じられる1冊の気がします。
山崎 ナオコーラ 集英社 発売:2009/7 1,155円
表題作他1篇。
いろんな媒体のラジオ・テレビ欄、
略してラテ欄を配信する会社で働く
若者達の業務中に交わされる様々な言葉は
種々の業務上のやり取りから
自分たちの思うところを口にしたものだったり
沈んだ雰囲気を解きほぐす一言であったり
どうでもいいような報告や気付きであったり。
同じデスクで仕事をするほぼ同年代の彼らには
それぞれに何となく少しずれた部分がありそうなのだけれど
互いにそれらを否定することはあまりなくて
時に淡々と時に和やかに仕事をすすめていくのは
仕事だけの関係と割り切っている部分があるのかどうなのか。
そうであっても仕事に関係のあるなしに関わらず、
あの時彼が、彼女がこんなことを言ったということが
ふとした時に思い出されそうな内容の会話を交わしているのは
この話の彼らだけでなく
自分もきっとそうなのだろうなと思う部分もあり。
ラテ欄の配信をテレビ局や新聞社とは別の組織が
やっているとはと知らなかったし
全国各地の版に対応するように
多くの人間が関わっているというところに
ちょっと新鮮さを覚えた気がします。
そしてもう一篇の『ああ、懐かしの肌色クレヨン』。
主人公が好きになった職場の男性が辞める前に
何とか取りつけたデートの約束。
当日いきなり劣勢に立たされても
意外に冷静でいられるのは
発した言葉がはね返されるでもなく受け止められるわけでもなく
すり抜けているような感じを受けるからなのかなと。
その後も淡々と口説き続けたり
ちょっとしたことに喜ぶ主人公に対して
よく頑張りましたと声をかけたくなります。
個人的にはこっちの話の方が好きかなと。
それにしても今回サイン本を入手したのだけれど
サインとして書かれたメッセージがこの話に関わるところなのか
著者自身の心の叫びなのかがちょっとなのかどっちなんだろう…?
両篇共に重要非重要は別として
日常の会話や出来事の中に意外に印象に残ることが
転がっているのかなと改めて感じられる1冊の気がします。
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