ISBN:978-4-480-80420-4 単行本
三浦 しをん 筑摩書房 発売:2009/7 1,575円

社史編纂室なるいわゆる閑職にまわされた主人公
の影の趣味は長年の友人との同人誌作り。
それが室内にばれてしまったことと
課長の一言で室の同人誌を作る羽目に。
そこに載せるべく課長が調子よく書き上げていく物語と
社史における不透明な部分が結びついてきて。

のんびりしていて役に立つのかよく分からない課長、
遊び人のようでさりげなく気の効く先輩、
天然なのかしっかりしてるのかよく分からない後輩、
後半に正体が明らかになる部長
といった感じの社史編纂室の面々の他にプライベートでは
あまりに束縛しなさすぎの自由な彼氏や
腐れ縁のように続く友人に囲まれていて
本人にはいろいろツッコミどころやら
将来的な不安やらがあるようでも
何だか充実した日々を送っているように見えるのは気のせいでしょうか。

出世にはあまりこだわりがなくて
会社の内情が良く分かる位置にいるという点では
今の自分の立場に近いものがあるのかなぁと
勝手に思っていたりするのですが
そんな主人公の仕事っぷりは
認められるられないはともかくとして
仕事を楽しむという1つの形になっているのかなと。

あとは社史が各人に渡った後の顛末が少し知りたくはあります。
全体として年月や場面に関係なく
書くということがいろんな意味で力を持っている1冊だったかなと思います。

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