ISBN:978-4-08-746089-6 文庫
加納 朋子 集英社 発売:2006/10 560円

去年6月に選ばれた第1回京都水無月大賞作品。

高校のソフトボール部のメンバーのそれぞれの7年後を
7章(7色)で描いてあって。
7年経てばそれぞれのつながりも薄くなるのだけれど
1人の死がきっかけで少しずつつながりが生まれ、
またその死の真相が最後までに明らかになるわけで。
とは言っても彼女らの現在が中心で
自分で道を切り開いて形にしていたり
諸事情で選ばざるを得なかった選択肢を必死にものにしようとしていたり
虹のようにそれぞれの色を持った人生を送っていて
先には希望がありつつも裏側にどんよりとした不安が広がっていたり。

友人やチームメイトという関わりは
自分に関する部分はよく見えるのだけれど
ほとんどもしくは全く関わりのない関係の中でも
それぞれの人生が築かれているところに
虹が7色だという考えと
本当は無数の色の集まりだという考えの差のようなものがあって
この作品の彼女達の虹の色のように
自分及び周囲の人間にも虹の色みたいなものがあって
それは作品で描かれた色たちとはまた微妙に違っていて
それが無限の色(人生)を形作っているのかなと。
う~む、何書いているのかよく分からなくなってきた…。

それはさておき、
読後は雨上がりにかかる虹を見る時のような気分になる1冊だったと思います。

コメント