肝、焼ける (講談社文庫)
2009年6月23日 読書
ISBN:978-4-06-276352-3 文庫
朝倉 かすみ 講談社 発売:2009/5 630円
表題作を含む5編。
『肝、焼ける』、北海道の方言らしいのですが
妙を得た言葉だなぁというのが正直な感想で。
年下の相方の赴任先の稚内に東京からこっそりやってきた女性が
本人の家の目の前まで行くものの
そこから一歩がなかなか踏み出せなくて行ったりきたり。
散々肝を焼いた挙句、ついに…という話で
緩急がついた中で肝の焼け具合がよく伝わってきた感があって。
そして
男性と深い関係になりそうでなかなかならずに
気付いたら40歳、という女性の半生を描いた『コマドリさんのこと』
真面目に生きていて変化のない主人公に対して
年を重ねてそれなりの変化を遂げていく周囲の人達との差に
苦いながらもくすっとくる部分があり。
他にも
年配の女性社員2人の間でバランスを取りながら
日々を過ごそうとする『一番下の妹』、
結婚前のちょっとした不安な時期と
子供の頃からの持病を絡めて描かれた
危なっかしい感のある『春季カタル』、
結婚を紅白歌合戦に例えていることがなるほどなと思う『一入』、
それぞれが特別な女性という感じではなくて
都市や町に住む一般的な女性という所に
実際の舞台が北海道中心なのは別として
あまり遠くの世界ではない感覚で読めた1冊だったかなと思います。
朝倉 かすみ 講談社 発売:2009/5 630円
表題作を含む5編。
『肝、焼ける』、北海道の方言らしいのですが
妙を得た言葉だなぁというのが正直な感想で。
年下の相方の赴任先の稚内に東京からこっそりやってきた女性が
本人の家の目の前まで行くものの
そこから一歩がなかなか踏み出せなくて行ったりきたり。
散々肝を焼いた挙句、ついに…という話で
緩急がついた中で肝の焼け具合がよく伝わってきた感があって。
そして
男性と深い関係になりそうでなかなかならずに
気付いたら40歳、という女性の半生を描いた『コマドリさんのこと』
真面目に生きていて変化のない主人公に対して
年を重ねてそれなりの変化を遂げていく周囲の人達との差に
苦いながらもくすっとくる部分があり。
他にも
年配の女性社員2人の間でバランスを取りながら
日々を過ごそうとする『一番下の妹』、
結婚前のちょっとした不安な時期と
子供の頃からの持病を絡めて描かれた
危なっかしい感のある『春季カタル』、
結婚を紅白歌合戦に例えていることがなるほどなと思う『一入』、
それぞれが特別な女性という感じではなくて
都市や町に住む一般的な女性という所に
実際の舞台が北海道中心なのは別として
あまり遠くの世界ではない感覚で読めた1冊だったかなと思います。
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