ISBN:978-4-10-137641-7 文庫
柴崎 友香 新潮文庫 発売:2009/4 340円

実家からの戻り途中の
京都駅の三省堂にて購入。
以前に新刊で読んだと思っていたものの
どうやら初めてやったみたいで。

大阪に生きる女性の恋愛や仕事といった日常が描かれていて
優しい感じの会話が滔々と綴られていくのかなと思っていたら
昔の大阪の写真を通して
過去から積み重ねられてできた現代の大阪という街について思いを馳せる部分が
あっていつになく考えさせられるなぁと思ってしまったり。
自分も住んでいる土地の昔を知りたいなと思って時々図書館とかにそういう資料を
見に行ったりすることはあるのだけれど
なぜ知りたいのかと言われると
この作品の主人公と同じようにうまく表現できない気がします。

現代の日常の部分も
のんびりした雰囲気の中にちょっと厳しい現実に近い部分もあって
「好きなタイプとうまくいくタイプが一致していない」という言葉には
個人的にも思い当たる部分があったり。

北は本町、南は難波、西は堀江、東は谷町六丁目辺りの
いわゆるミナミの範囲が舞台で
関西に帰っていた影響と作中に出てくる町の大体の場所が分かることもあって
そこを歩いているような感覚で読めた気がした1冊でした。

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