ISBN:978-4-8401-2741-7 単行本(ソフトカバー)
宮木 あや子 メディアファクトリー 発売:2009/3 1,260円

普段は馴染みがないけれども
人が亡くなった時に
いつの間にやらやってきて
大量の人間を召喚する儀式の準備から
当日の段取りまで執り行っている
葬儀屋という職業。
この話では町の小さな葬儀屋の
若い20代、ただ見てくれは
実年齢より上という社員3人が話の中心で。

妙に落ち着き払った彼女らには
それぞれに人には受け入れられにくい過去や性質があり。
葬儀を執り行う時、または葬儀に参列する時に
不意に襲い掛かる悪意によって
自身でどうにもできなくなった時に
周囲の人間がやさしく受け止めたり、時には勢いよく払いのけたり。
そうしたやさしさや行動によって恋愛が進行していく様子や
葬礼後もしくは葬礼のない日の日常の様子が
時にはコミカルに時には切なく描かれていて
葬礼業界に対して持っているイメージが少し変わる気がします。

痛々しい一面も適度には削られて表現されているものの
いろいろあるのだなという部分が垣間見えて。
幸せな人はあまり読まないほうがいい領域の話なのかもしれませんが
全体としてはスッキリした1冊だったかなと思います。

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