ISBN:978-4-8401-2398-3 単行本
豊島 ミホ メディアファクトリー 発売:2008/8 1,200円

中学生の1クラスの中でのいろいろな恋愛の形を描いた話。

好きじゃないと思う気持ちが実は好きだという気持ちだったり、
でも相手は別の人を見ていたり、
好きだという気持ちが達観しているものがあったり、
時には直球ど真ん中の恋だったり。

各々の行動やら考えを見ていると中学生らしい
拙さが残っていてその拙さを文字で上手く表現した上で
1クラスの中の人間関係だけでよくまとめたなぁと思います。
大体クラスの半分くらいの人間しか描かれていないのですが
他の学年やクラスの人に恋しているのかそれとも恋愛に至っていないのか。
そこが逆に自然なのかもしれません。

自分の中学生時代に相関図を描くとした場合、
自分の方に向く矢印はあったようなのですが
肝心の自分がそういうのに非常に鈍感であった為に何もなかった
という状態だったようです。
そもそも自分から誰かへ伸びている矢印があったか微妙で。
だから恋が恋であることが伝わらないのも中学生ならありかなと思うのです。
もしかしたら最近の中学生はそうでもないのかもしれませんが。

自分の年のちょうど半分の年の人間が主人公ということもあり
なんとなく懐かしさを感じたりもする1冊でした。

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