ISBN:978-4-06-214537-4 単行本
津村 記久子 講談社 2008/2 ¥1,470
表題作を含む3篇。
カスミソウのような字面なのだけれど
ちょっと違っていて、?と思う表題作「カソウスキの行方」。
ふとしたことで本社勤務から左遷されて
郊外の倉庫勤務になった主人公。
28歳独身、周囲に結婚できそうな相手もおらず、
日々のモチベーション維持のために彼女が始めたのがこのカソウスキ。
恋愛対象ではないけれど消去法で選択された倉庫勤務の同僚(独身)を
好きだと仮定して行動していく、つまり仮想・好き。
彼女の言動にちょっとした痛々しさだけではなく
軽い清々しさを覚えてしまいます。
帰る場所があるようでない微妙な立場や
限られた世界の中でちょっとやる気のなさそうに過ごす休日の様子に
細かい条件は違えど立たされている境遇に自分とかなり近いものを感じつつ。
友人の結婚を知った後、一人になった時にふと出てきた
言葉(本の裏オビにも出てますが)は正にその通りだと思います。
強いて言えば読む季節を間違ったくらい(冬の話なので)です。
その他にも
具体的な都市名は出てないけれどたぶん大阪だろうなぁという街を舞台にした、
既婚男性に恋焦がれつも
たびたび会うようになった彼の友人の22時帰宅の謎に
関心が動いていく「Everyday I Write A Book 」。
そして相手の不履行に対し不履行で返していく「花婿のハムラビ法典」。
1回のデートドタキャンにつき1回ドタキャンで返すという
端から見れば結構微笑ましいのですが
ここまでいろんな不履行が重なるとなぁ…と思ってしまう一方で
なぜ付き合ってるのかと自問する部分が憎めなくもあり。
津村さんの作品は初めてでしたが
それそれが自分が思うところのちょうどいい距離感で
描かれていて結構好感が持てました。
他の作品にも手をつけていくことにします。
津村 記久子 講談社 2008/2 ¥1,470
表題作を含む3篇。
カスミソウのような字面なのだけれど
ちょっと違っていて、?と思う表題作「カソウスキの行方」。
ふとしたことで本社勤務から左遷されて
郊外の倉庫勤務になった主人公。
28歳独身、周囲に結婚できそうな相手もおらず、
日々のモチベーション維持のために彼女が始めたのがこのカソウスキ。
恋愛対象ではないけれど消去法で選択された倉庫勤務の同僚(独身)を
好きだと仮定して行動していく、つまり仮想・好き。
彼女の言動にちょっとした痛々しさだけではなく
軽い清々しさを覚えてしまいます。
帰る場所があるようでない微妙な立場や
限られた世界の中でちょっとやる気のなさそうに過ごす休日の様子に
細かい条件は違えど立たされている境遇に自分とかなり近いものを感じつつ。
友人の結婚を知った後、一人になった時にふと出てきた
言葉(本の裏オビにも出てますが)は正にその通りだと思います。
強いて言えば読む季節を間違ったくらい(冬の話なので)です。
その他にも
具体的な都市名は出てないけれどたぶん大阪だろうなぁという街を舞台にした、
既婚男性に恋焦がれつも
たびたび会うようになった彼の友人の22時帰宅の謎に
関心が動いていく「Everyday I Write A Book 」。
そして相手の不履行に対し不履行で返していく「花婿のハムラビ法典」。
1回のデートドタキャンにつき1回ドタキャンで返すという
端から見れば結構微笑ましいのですが
ここまでいろんな不履行が重なるとなぁ…と思ってしまう一方で
なぜ付き合ってるのかと自問する部分が憎めなくもあり。
津村さんの作品は初めてでしたが
それそれが自分が思うところのちょうどいい距離感で
描かれていて結構好感が持てました。
他の作品にも手をつけていくことにします。
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