マリモ −酒漬けOL物語−
ISBN:4101179417 文庫
山崎 マキコ 新潮文庫 2005/3 ¥580

数ヶ月前にジュンク堂に増刷予定なしで
在庫限りの書籍のコーナーができていて
その中から手に取ってみました。

何度も仕事で挫折を繰り返しながら酒の力も借りつつ
最後には成功を収める、という類の話だと
勝手に思って読み始めたのですが
そうではなかったです。

正直なところ、全体を通して
言いたいことはこれだという部分が分からなかったのですが
随所に断片的に出てくる考え方や言葉が
何だか自分の中にあるのと似通っていたり、
もしくは自分の中でうまく言葉にできなかったことを
言葉にしてくれているかなと感じた作品でした。

あまり気乗りのしない仕事を続けて
結局失敗して会社を辞める決心をする第1章と
転職して次の会社で何とかやりつつも不安感は残ったままという第2章
の2部構成でどちらの根底にも高校時代の国語の先生の言動があったり。

大事な場面をあっさり通過してしまうことや
何かに気付いていながらそれを隠して、もしくは否定しながら
自分の居場所を探そうとする姿勢は
自分と同じだと思う部分もあり。
何だか憎めない1冊でした。

コメント

ボースン
ボースン
2008年6月13日7:24

こんにちわー。この話、私も以前読んだことがあります。
それで、えーと、どうでもいいことなんですが(笑)、第一部で会社やめる時、カレー味納豆の話が出てきませんでした?実は最近スーパーで本当にカレー味の納豆を売っているのを見かけて、ひぇぇ実現している!と驚いたのですよ(関西人の私は納豆嫌いなのでトライしませんでしたが)。

山崎さんの小説はたいがい読んだので(昔アスキーに連載してたお仕事コラムが好きだった)、ひょっとしたら何か他の作品とかんちがいしてるかもしれませんが…。

mono
mono
2008年6月15日22:41

ボースンさんへ。
こんばんは。
その通りで「納豆伝説」の話です。
自分も関西生まれ関西育ち
ということに加えて辛いものが苦手なので
異世界の食べ物だなと思いつつ読んでいたのですが
実在してしまっているのですね…。
今後もいろいろ新しい味が出現するんでしょうか。