四畳半神話大系

2008年6月7日 読書
四畳半神話大系
ISBN:9784043878017 文庫
森見 登美彦 角川文庫 2008/3 ¥700

森見さんの作品は最初は独特の文体が
とっつきにくい印象だったのですが
何冊か読み進めるともう慣れたものです。

映画サークル「みそぎ」、
「弟子求ム」、
ソフトボールサークル「ほんわか」、
秘密組織「福猫飯店」。
これら4つのサークル?勧誘のチラシから
どこに入るかを選んだかによって2年後の春にどういうことになっているのか、
京都の街中、というか自室の四畳半を中心とした舞台で
繰り広げられていく青春活劇といったところです。

それぞれの選択肢がパラレルワールドとして進んでいくわけですが
どれを選んでいても周りにいる人物は同じだったり、
ポイントポイントで同じイベントが起きていたり…。

順に読んでいくとそれぞれの話が
起・承・転・結というより起・承・承・転結のような感じで
最終話でそれまでの謎?が一挙に解決されるわけで。
主人公が行動しながら最終的に気付くことが
あぁ人生って確かにそうかもしれないなと感じると同時に
自分が実際に立ち会って同じことに気付いてしまったら
たぶんショックだろうなと思ったり。

「夜は短し…」に登場する樋口さんや羽貫さん、
「新釈 走れメロス」の図書館警察など
後の作品に登場するものもあり。
というか別の四畳半のどれかの話かもしれません。

その他映像化しにくい描写も多いですが
不思議と読後感はそれほど悪くない、そんな1冊です。

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