ISBN:4122048699 文庫 恩田 陸
中央公論新社 2007/06/25 ¥620

ふと書店で見かけて
非常に夏らしそうだったので選んだ一冊。
演劇祭で使用する背景作りのための合宿という名目で
1つ屋根の下に集まった高校生たち。
しかしそこにはそれ以外にも
別の意図が・・・という感じの話です。

3部構成でそれぞれの部が違う人物からの視点で
描かれています。
作品を仕上げていく過程やその合間の時間の描写が
非常に瑞々しいです。
本当に別荘で過ごすと多分こんな感じになりそうです。
それと裏返しのような形で繰り広げられていく
過去の事件に対する真相究明。
それぞれがそれぞれの見た形で記憶していて
それを何とか1つの事実につなげようとして行く様子は
とても高校生のやり取りには感じられない気がします。
そもそもこんなに知的でかけひきの上手い高校生が集結することが
あるんだろうかという部分が少し気になりますが。

そうした3部に加えて終章があることで
ノスタルジー感がぐっと強まっている気がします。
なかなかいいタイミングで読むことができた1冊でした。

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