太陽の塔

2007年7月7日 読書
ISBN:4101290512 文庫 森見 登美彦
新潮社 2006/05 ¥420

新潮文庫の100冊2007
に選ばれていたのを
書店で見かけて購入した1冊。
ブックカバーが欲しいので。
不純と言えば不純な動機です。

太陽の塔とは、関西の方なら多分ご存知かと思われる
吹田市に鎮座していらっしゃる彼(彼女?)のことです。
話としては休学中の京大生とその周囲に繰り広げられる
日常や騒動その他が絡まっています。
京大生の話なので京大の周囲の景色が至る所に出てきます。
なら太陽の塔はどこに出てくるんだと思われるかもしれませんが
ちゃんと関係はあります。

気付けば妄想や夢に入り込んだり、現実をなかなか打破できなかったり、
世間から見た"充実した大学生活"とは若干離れているのかもしれないけれど
これも青春の1つの形だよなと思わせてくれるのです。
大文字山の火床で焼肉をする描写なんかは
羨ましいの一言です(本当はやっちゃいけないのかもしれませんが)。
今になって、高校1年生の時点で進路の選択肢から
京大を早々に外した自分を少し後悔したくらいです。

先日読んだ豊島ミホさんの「醤油のころ」も結構しょっぱかったですが
こちらは男性のみに限った更に突っ込んだしょっぱさかなと。
醤油を通り越した正体不明の黒い液体のような感じ。
1人暮らしの下宿に同じような大学生が集まる描写は結構リアルにイメージできます。
ここまでだったかどうか分かりませんが
学生時代の1人暮らしの部屋に友人が集まれば
(もしくは友人の部屋に行けば)こんな感じだったかもしれません。

これを読んでいると
「夜は短し歩けよ乙女」につながってくる部分も
若干あるのかなと思ったりします。
夢とか不思議な女の子とか電車とか。
「夜は短し・・・」の方をもう1回読み返してみようかな。
面白さが増すかも。

あと、時々端折られているエピソードがあるのだけれど
その部分もちょっと聞いてみたいなと思います。
それと正直○○○○キューブの描写が頭から離れません。
よい話なのですが食事中に読むのだけは控えた方がよい1冊かなと思います。

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