ISBN:434401314X 単行本 万城目 学
幻冬舎 2007/04 ¥1,575
以前「鴨川ホルモー」で紹介した
万城目さんの2冊目。
今回も表紙は石井麻耶さん。
わーい、地元奈良が舞台だー、
ということで喜び勇んで読んでみました。
臨時教師として奈良女学館高校に赴任したちょっと弱りかけの主人公が
春日野でいきなり鹿に話しかけられてある役割を与えられたことから話が急展開。
それは一見簡単そうなことなのだけれど
複数の思惑や勘違いが絡んで思わぬ方向へ・・・という感じの話です。
舞台の中心は奈良ですが、大阪、京都も関係し、
さらに時間軸においては人間の歴史を全て含んでいると言いますか・・・。
前作のホルモーがたしか1,000年の歴史だったかと思うのですが
それよりはるか昔からの出来事になります。
基本的に主人公自体が絶対的な何かを持っているわけではなく、
周りの力に翻弄されたり、また助けられたりといった部分は
ホルモーと共通しているものがある気がします。
一見しょうもないと思えることにしばられていたり、
不思議な力の及ぶ範囲が案外限られていたり
「なんでやねん」「そっちかよ」と思ってしまう箇所満載の一方で
端から見たらつまらないことについて真面目に語っている姿が
やたらとかっこよく見える部分があったり、
この方の組む文章は相変わらず絶妙だなと感心しながら読んだ次第です。
ちょっと心配なのは過去の歴史をこんな感じで
時には真面目に(史実に忠実にというわけではなく)
時には面白おかしく描いて
その筋の専門家が怒りだすんじゃないかという事でしょうか。
世界なんてこんな感じの理由で構築されていると思うんですけどね。
それと「おっさん声の雌ジカ」の違和感をどれだけの人に
理解していただけるかということも少し気になります。
個人的には高校生活を奈良女学館の近くで送ったこともあり、
(たしか表紙挿画にある朱雀門が復元されたのもその時だったような・・・)
イメージしやすかったのと、
京都に比べるとはるかに地味な
奈良を題材にしてもこんな魅力的なものが書けるんだなと驚かされた一冊でした。
基本的に10月とその前後が中心の話なので
その頃に読むと良い感じかもしれません。
幻冬舎 2007/04 ¥1,575
以前「鴨川ホルモー」で紹介した
万城目さんの2冊目。
今回も表紙は石井麻耶さん。
わーい、地元奈良が舞台だー、
ということで喜び勇んで読んでみました。
臨時教師として奈良女学館高校に赴任したちょっと弱りかけの主人公が
春日野でいきなり鹿に話しかけられてある役割を与えられたことから話が急展開。
それは一見簡単そうなことなのだけれど
複数の思惑や勘違いが絡んで思わぬ方向へ・・・という感じの話です。
舞台の中心は奈良ですが、大阪、京都も関係し、
さらに時間軸においては人間の歴史を全て含んでいると言いますか・・・。
前作のホルモーがたしか1,000年の歴史だったかと思うのですが
それよりはるか昔からの出来事になります。
基本的に主人公自体が絶対的な何かを持っているわけではなく、
周りの力に翻弄されたり、また助けられたりといった部分は
ホルモーと共通しているものがある気がします。
一見しょうもないと思えることにしばられていたり、
不思議な力の及ぶ範囲が案外限られていたり
「なんでやねん」「そっちかよ」と思ってしまう箇所満載の一方で
端から見たらつまらないことについて真面目に語っている姿が
やたらとかっこよく見える部分があったり、
この方の組む文章は相変わらず絶妙だなと感心しながら読んだ次第です。
ちょっと心配なのは過去の歴史をこんな感じで
時には真面目に(史実に忠実にというわけではなく)
時には面白おかしく描いて
その筋の専門家が怒りだすんじゃないかという事でしょうか。
世界なんてこんな感じの理由で構築されていると思うんですけどね。
それと「おっさん声の雌ジカ」の違和感をどれだけの人に
理解していただけるかということも少し気になります。
個人的には高校生活を奈良女学館の近くで送ったこともあり、
(たしか表紙挿画にある朱雀門が復元されたのもその時だったような・・・)
イメージしやすかったのと、
京都に比べるとはるかに地味な
奈良を題材にしてもこんな魅力的なものが書けるんだなと驚かされた一冊でした。
基本的に10月とその前後が中心の話なので
その頃に読むと良い感じかもしれません。
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