長期休暇がなかなか取れず
(そう言えば社会人になってから有給休暇取ったことない)
東京を出たいという気持ちを本にぶつけつつ。
と言っても時代がまったく違うのでこのような情景には
もう出会えないんですが。

著者は到着した場所での目的もなく列車でぶらぶら、
しかも資金は借金で工面。
今なら考えつかないような悠長さがあると言いますか
時間を贅沢に使っていると言いますか。
残念ながら私にはそういう(目的のない)旅は
まだできないような気がします。

そんなこの本の中で一番気に入った個所は
著者が青森の浅虫温泉の宿から夜汽車の灯を見た時に思い出した
一番遠くに夜汽車の灯を見たのは
大阪の浜寺から大阪湾を隔てて須磨の海岸を行く汽車の灯だ、
という旨の記述。
今でこそ工場やマンションが立ち並び、街の明かりと列車の灯など
区別がつかなくなって当然の状態になった
阪神間の海岸沿いも今では考えられないほど明かりが少なかったのだ
と3行ほどの文章にもかかわらず感動さえさせられてしまいました。
見てみたくてももう一生見れませんし。

とりあえず第二第三と続くのでしばらく読みすすめつつ
旅への欲求を抑えてみようとと思います。

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